どのAIモデルを使っても似たような回答が返ってくるとしたら、企業の競争力はどこに宿るのでしょうか。
Microsoft はNew Microsoft data innovations unlock what only your business knowsで、この問いへのひとつの答えを示しました。バルセロナで開催された Microsoft Fabric + SQL Community Conference での発表によると、Fabric IQ は Power BI の意味モデルやメトリクス、ビジネス定義といった「その企業だけが持つ文脈」を Copilot に統合し、Chat や Cowork がガバナンスされた自社データに基づいて回答・多段階の作業を行えるようにします。Azure Databases 側でも、AI戦略の基盤となるデータ estate の強化が同時に進められています。
ここから見えてくるのは、AIモデルそのものの性能競争から、「そのモデルに何を食べさせられるか」という競争への転換です。強力な基盤モデルは今後さらにコモディティ化していくはずです。だとすれば、独自の優位性は各社が長年蓄積してきた業務データや意思決定の文脈を、どれだけ構造化してAIに渡せる形にできるかにかかってきます。
この転換は、社内に散在するデータ資産を持て余していた組織にとって追い風になり得ます。すでに Power BI で意味モデルを整備している企業であれば、新しい基盤をゼロから作らずとも、それをそのまま Copilot の「文脈」として再利用できる可能性が開けます。特定のモデルベンダーに依存せず、使うほど賢くなる継続的学習ループを自社でコントロールできる発想も、実務側にとって現実的な選択肢になりそうです。
問われているのは「良いAIを選ぶ」ことではなく、「自社データをAIに理解させる」体制をどれだけ早く整えられるかです。
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