マルウェア解析が「週」から「時間」へ。浮いた時間は何に使われるのか

マルウェア解析にかかる時間が、数週間から数時間に縮むとしたら、セキュリティチームの仕事は何が変わるのでしょうか。

OpenAIは事例記事 SentinelOne cuts malware analysis from weeks to hours で、SentinelOneが「OpenAI Daybreak」を使い、数週間かかっていたマルウェア解析を数時間にまで短縮したと紹介しています。短縮で生まれた余力は、より多くの脅威を調べることに充てられるとされています。

速さそのものより、調べられる脅威の数が増える

これまでは、1つの検体を深く調べるのに数週間かかるのが前提でした。この前提では、どの検体を調べるかを優先順位で絞り込む必要があります。優先度の低い検体は、調べられないまま残ります。

解析が数時間で終わるなら、この絞り込みの基準が変わります。

  • Before: 数週間かけて少数の検体を深掘りする。調べきれない脅威が残る
  • After: 数時間で1件を終えられる。同じ体制でより多くの脅威を調べられる

元記事が強調しているのも、この点です。人員を増やさなくても、調査のカバー範囲を広げられる余地が生まれます。

小さなチームにとっての機会

ここに可能性があります。解析力はこれまで、熟練の解析者を何人抱えられるかで決まる面が大きいものでした。解析の初動をAIが支えるなら、専任の解析チームを持たない組織でも、調べられる範囲を広げる選択肢が見えてきます。

ただし、元記事から読み取れるのは、SentinelOneという一社の事例が示す方向性です。短縮幅は同社の環境と業務の条件下での結果です。自組織で同じ効果が出るかどうかは、別に検証が必要です。

答え:速さは「結論」ではなく「判断の回数」を増やす

冒頭の問いに戻ります。解析が週から時間に縮むと、変わるのは作業時間よりも、判断の回数です。何を調べるかを選ぶ段階で、切り捨てていた脅威を拾い直せるようになります。

導入を検討する際は、次の2点を確認するとよいでしょう。

  1. 自組織の解析で、時間がかかっている工程はどこか
  2. 浮いた時間を、どの脅威の調査に振り向けるか

AIの価値は、速度の数字よりも、空いた時間をどう使うかで決まります。

出典: SentinelOne cuts malware analysis from weeks to hours(OpenAI)


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参考文献

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